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今、ネット社会であるものが流行っていることを俺は知っていた。
それはパソコンやケータイ、端末などに専用のソフトをダウンロードし、自分の自殺するシーンを撮れて、ネット上で自由に流せるという代物だ。
俺は普段、フワフワと浮いたネットの社会にいる。
普段からずっと、自室のパソコンでオンライントレードをしながら暮らしている俺にとって、その手のちょっと危ないネタはメールなどでやり取りするか、ネット掲示板などに書き込むかぐらいだった。
俺にもメル友がいる。
ほんの数人だが。
俺自身、そのソフトのことはつい最近知ったに過ぎない。
何せ<自殺Tube>という大仰(おおぎょう)な名前が付いたもので、俺は聞いたとき、
“別に自殺Tubeなんて大げさな名前付けなくてもいいのにな”
と思っていた。
だけど実際東京都内で、ここ一ヶ月間、数人の男女が自殺Tubeを使って自身の自殺シ
今、ネット社会であるものが流行っていることを俺は知っていた。
それはパソコンやケータイ、端末などに専用のソフトをダウンロードし、自分の自殺するシーンを撮れて、ネット上で自由に流せるという代物だ。
俺は普段、フワフワと浮いたネットの社会にいる。
普段からずっと、自室のパソコンでオンライントレードをしながら暮らしている俺にとって、その手のちょっと危ないネタはメールなどでやり取りするか、ネット掲示板などに書き込むかぐらいだった。
俺にもメル友がいる。
ほんの数人だが。
俺自身、そのソフトのことはつい最近知ったに過ぎない。
何せ<自殺Tube>という大仰(おおぎょう)な名前が付いたもので、俺は聞いたとき、
“別に自殺Tubeなんて大げさな名前付けなくてもいいのにな”
と思っていた。
だけど実際東京都内で、ここ一ヶ月間、数人の男女が自殺Tubeを使って自身の自殺シ