私…

もうさよならなんだ。




手を振る生徒達。


私も両手を大きく振り、歩き出す。



涙を堪えながら、最後の校門をくぐる。


振り返ると、まだみんなが手を振ってくれていた。


大声で私を呼ぶかわいい生徒達。



「ばいば~~~い!!!」



龍之介の声がまだ私に届く。

寂しいよ…

すごく寂しいよ。



戻りたいよ。

走ってみんなの元へ戻りたい。

ずっとここにいたい。


私の最初の生徒達。


ありがとうしか言えないけど、みんなに私の気持ちは伝わったかな。


これからも、この経験が私を支え続ける。


悩んで壁にぶち当たったとき、私は絶対にここでの日々を思い出す。


いじめに遭った生徒と向き合うとき、私は必ず思い出す。


私のこれからの教師としての人生は、ここで始まった。



いつまでも、忘れない。


熱くなった気持ち、忘れないで、いつまでも熱い教師でいたい。