授業に集中しようとするのに、私の神経は左目の端に入る彼へと…
明日から、国語の授業を私が担当することになっていた。
こんなことに浮かれている場合じゃない。
黒板を書き写しながらも、気になる存在。
チラっと左を見る。
窓の外…ボーっと見ながら、あくびをする彼。
6月なのに、色黒いよ…
もしかして、日焼けサロン?
まさかね。
シャーペンを何気なく回す指までもが、他の生徒とは違って見える。
指が長い。
大きくてかっこいい手。
あの手にいつか触れてみたい。
あの手で私を連れ去って欲しい。
あぁ…
私、何考えてるんだろう。
私、きっと現実逃避してるんだ。
この教育実習の緊張と不安から逃げたいだけなんだ。

