学生時代、この廊下を走って滑ったことを思い出しながら、控えめに小走り… 教室に入ろうとしたとき、誰かにぶつかった。 ドン! こんな風に誰かにぶつかるってあるようでなかなかない。 ドラマのように、こけちゃった私。 「いて~よ。」 あれ? 大きな背中に、低い声。 もしかして… 少しの期待と、不安。 ドキドキしながらゆっくり顔をあげた。 そこには、困ったような顔で私の顔を覗きこむ男の子。 彼だった。