慟哭の彼方



今会ったばかりの自分を、彼は友達だと言って誇らしそうに笑う。

これを他の人に言われたなら、彼は間違いなく手を出していただろう。

向こうが謝るまで殴りつけていたかもしれない。


けれどその時彼が自分に売った恩を考えると、どうにもそういう気分にはなれなかった。

だからこれは、すぐに終わってしまう猿芝居だった。

少なくともハイゼルはそのつもりだった。


「…俺も、お前みたいな友達に会えてうれしいよ」


なんて、なんて軽々しい言葉だったのだろう。

それを信じてしまう彼も彼だ。


猿芝居は4年経った今でも、終わりを告げようとはしない。