慟哭の彼方



それはもう4年も前に遡る。

細目でゆるりとした雰囲気を辺りにばらまく彼とは違って、ハイゼルはいつも目つきが悪く怖がられていた。


少し悪いことをすれば大げさに広まっていき、いつしか彼は有名な不良として名を馳せるようにまでなっていた。

一人が好きだからちょうどよかったと、自分に言い聞かせていた。


けれど争いを避けることはできなくて。

中学生になってすぐの頃、うっとうしい先輩連中に絡まれたことがある。


「ガキが格好つけてんじゃねぇぞ!」

その言葉をそっくり返す前に目の前にはこぶしが迫って来て、そのこぶしを遮る何かが視界にちらついた。