慟哭の彼方



その白く細い人差し指を立てて、彼女はハイゼルの目をしっかりと見据える。

「一つ、常に手元に置いておくこと。カバンの中、ポケットの中、どこでも構わない。
ただし一日でも絵の側から離れたら、あなたの願い事は一生叶わなくなる」


ごくり、唾がハイゼルの喉元を伝っていく。

「そして二つ目。一度絵を手に入れてしまえば、私はもう二度とあなたからの依頼を受け付けない。
願い事は一人に一つ」

知っている。
それほど虫のいい話ではないこと。

だから自分はあの願い事を選んだ。

きっともう、何年も前から自分の中にあった。


「最後に。ほんの少しでも絵を見てしまえば願い事は取り消せない。どれだけあなたが後悔しようとも、その願い事は叶えられる。
以上だ」

流暢な口振りが、今までどれだけの依頼を請け負ってきたのかを思わせる。