ドアを開けると、外とは違う独特の空気が彼を包む。
「来たか、ハイゼル」
魔女に初めて呼ばれた自分の名は、他人のものよりよそよそしく聞こえた。
その考えを振り払い、ハイゼルはこれから渡される絵だけに集中力を向ける。
「もう描けたんだな。もっと遅くなるかと思ってた」
「…ハイゼル。絵を渡す前に、注意点がいくつかある」
内心はじれったくて仕方なかったが、彼は大人しく話を聞くことにする。
薄い唇から、焦らすようにゆっくりと言葉がこぼれていった。
まるで枯れた葉のように、まるで咲き誇る花弁のように。
メニュー