伝説だと聞いたことも、昔話だと聞いたこともある。 私の家系と聖の家系には“烏”と“兎”と言われる人が出た。 “烏”は太陽を操る事が出来て、“兎”は月を操ることが出来た。 現代じゃ有り得ない話だから私はあまり信じて居ないし、その話自体信じられない。 幼い頃、聖と一緒にもう亡くなったおばあちゃんに聞いた。 「じゃあ桜嘉が兎。」 「どうして?」 「寂しがり屋だから。」 「そんな事無いもん!」 寂しがりなのは聖。 聖が兎で、私が烏なんだ。