段々と覚醒した照大は、ノートや教科書を閉じた。

「毛布、ありがとう。」

「うん。」

そうして、まだ眠かったらしく、横になって寝る。


「…照大。」

「ん?」


声だけ返ってくる。

私は聞く。


「照大は好きな人、いる?」


百合ちゃんが静綺を好きだという事実が頭を巡っていた。

でも、静綺は聖を好き。


「なに、急に。」

「ちょっと聞いてみたいだけ。ね、いる?」

「好きっていうか、守りたい子なら居るよ。」


誰?と聞く前に、


「絶対教えないけど。」


静綺よりも意地悪だったのを思い出した。