ふと空を見てみると
まるで小さな鳥たちが
飛んでいるかのように、
色んな花が
ふわふわと空を舞っている。
―なあんだ。
これ、夢だよね。
うん、夢!
きっとわたしは
幸せな夢を見ている。
なら、しばらく夢よ
覚めないで。
「アリスさま。
わたしはスミレといいます。
あなたにいろいろ
教えて差し上げなければ。」
そう言って、
ある方向を指差した。
花園が一面に広がる先に
ヨーロッパのような
街並みが見え、
さらに立派なお城が見える。
「さあ、王宮へ行きましょう」
―おもしろい。
こんな夢、初めて。
わたしは何故か
わくわくしながら、
スミレの隣を歩き始めた。
花たちが、風に揺られて
優しく笑っている気がした。

