「おい、着いたぞ」


「あ、うん!…気をつけて帰ってね?」




そう言って、悠大を見詰める。


悠大と別れるのが名残惜しいと思ってるあたしは、贅沢者なのかもしれないけど。


悠大が好きだって気付いた今は、しょうがないと思う。


そんな気持ちも、恋の一つだと思うから。




「あぁ。お前もさっさと家入れよ」


「うん!」


「じゃぁな」




悠大はそう言って去って行く。


あたしは、その背中が見えなくなるまで見つめていた。