「遥、次お前ディフェンス」
「あ、うん」
悠大の言葉に反応して、ボールを悠大にパスする。
そのまま悠大はドリブルをつき始めた。
――ダム、ダム
力強い悠大のドリブルは、あたしに隙を見せようとはしない。
…あたしは、隙だらけらしいのに。
あたしには、隙を見つけることも出来ない。
悠大はステップをつけたりしてあたしを抜こうとするけど、あたしも必死についていく。
だけど、やっぱり約20㎝の身長差は大きい。
いつの間にか体をゴールの方へ捻じ込んだ悠大は、頭の上からシュートを放った。
――パスッ
あぁ……負けた。
ハハ、身長の所為にするあたしもあたしだけど…
――敵わない。
あたしは何もかもが、悠大よりも劣ってる。
みんなよりも――…劣ってる。


