俺等を名字で呼ぶ数少ない女子の一人である東野ゆりあと言う女は、いつも遥といる女バスのキャプテン。
部活の始まる前の時間によく二対二とかをするから、別に仲が悪いわけでもないと思う。
「…何だよ」
「ちょっと、一緒に帰ってくれないかな~…と」
はぁ?
と心の中で悪態を吐きながら東野を見る。
多分、今の俺の眉間には皺が寄ってるんだろう。
その東野は、お願い!と言う様に俺と京を見ている。
後ろに、遥の姿は無い。
と言うよりも、まだ校門のすぐ近くだったから、遥はまだ校門の所で他の奴らと溜まってるんだろうけど。
「東野、何で一緒に帰りてぇの?」
京が首を傾げながら東野に聞いている。
俺も気になって耳を澄ますが、聞こえた言葉は予想外だった。
「遥を、助けてほしい」


