「2対2してるんですか?」
そんな奈月の疑問に答えるのは、隣にいる愛海。
「そうだよ~!なっちゃんもやる?」
「え…あたしは…えっと……」
「おっ、いいじゃん!奈月もやろ!!」
「で…でも……」
そう言いながら視線を泳がす奈月を見て、キョトンとする。
「(さっきから遥先輩と話してる所為か、悠大先輩が睨んできてて怖いんだよなぁ……)
…でも、そろそろみんな来る時間ですし……あたし、ゴールとか出して準備しないと…」
「あ~…、それもそっかぁ!んじゃぁ、あたし達も手伝うよ!ね?悠大!」
「ん?あ?いや、俺等は…」
「男バスなんてまだ悠大達しか来てないじゃん!早く練習始めるために準備しとけば?遅く来る後輩にいい見せしめになるんじゃない?
んでもって、もっと早く来て準備して練習しろ!って言ってやれ!!」
あたしはそう言って悠大の背中をバンッと叩くと、ルンルンで体育館の窓を開けに行った。
「…ってーな」
と言う悠大の呟きを気にもせず。


