夢へ走れ!! ~小さな夢の向こうには~【完】






俺から見れば、悠大が遥を好きなことは丸わかり。


他の女と態度が全然違うし、何より…遥を見詰める悠大の表情はいつよりも優しい。


ま、俺は遥に何の感情も抱いていないしどうだっていいんだけど。


クククッとまだ止まらない笑いを堪えて口を開く。




「遥、次俺の番」


「あ、うん!」




遥は笑顔を見せて悠大から俺に視線を移すと、目の色を変えた。


勿論それは――…遥がバスケをする時の目の色。


バカみたいに笑ってる時とはわけが違う。


真剣な目だ。




遥が持っていたボールを俺にパスすることによって、ゲームは始まった。