「く……っ」 遥の苦し紛れの声が聞こえるが、ここで終わらないのが下出遥。 遥はそのまま後ろに飛びながらボールをゴールへと手放した。 綺麗なフォームを描く遥の手から放たれたボールは、真っ直ぐにゴールへ向かう。 …が、手前のリングに弾かれ、呆気なくコートにボールが落ちる音が響いた。 「あ~!負けたぁ~!!」 遥はアハハッと笑ってボールを手に取る。 「遥…今のお前、どうやってやった?」 そんな京の問いに、遥は平然と答える。 「わかんない?」 …って、疑問形で返すなよなぁ……