夢へ走れ!! ~小さな夢の向こうには~【完】




【悠大side】





一対一をしている遥と京を見詰めた。


遥のドリブルをつく音が体育館に響いて、そこだけ切り取られた別世界のように感じる。


激しい攻防戦。


女子だとは思えない速さで京を惑わせる遥を見ていると、流石、と思う。


一方京もそんな遥にちゃんとついていって、粘り強いディフェンスをしている。


男子の中では小さい京も、遥といると大きく見えて変な感じだ。




そんなことを思っている間にも、ゲームは動く。


遥は素早く右から左に回転し、軽くバックターン…かと思いきや、


遥はそのままフェイクをかけ少し左に寄った京の右側に滑り込む。


けれど、京もだてに立中男バス8番は名乗っていない。


遥よりもさらに速いスピードで回転し、遥の前に立ち塞がる。