『この場所ってここだよな?』 そう言ってそいつは 紙を俺に見せた。 「…中庭」 そいつが指していたのは裏庭ではなく中庭だった。 『ありゃ。お!あ、じゃあここ曲がって階段上がったとこか!ありがとな!!』 そう言ってそいつは走って行った。 ふう。 やっと静かだな。 そう思い、俺は空を見上げた。 少し後の俺が、あいつにハマるなんて この時の俺はまだ知る由もなかった。