「…玖音は龍雅家にとって必要な子だ。お前が変わりに八端組と闘うんだ」

「はい」

「玖音はきっと倉庫に来る。お前は玖音が来る前に片を付けろ」

「はい」





僕は父さんに携帯と財布を渡した。



僕にはもう、必要ないから。


使うことのない物だから。




父さんは黙って受け取ると棚の中に入れた。






「お前の帰る場所はない」

「‥はい」

「お前は倉庫で自ら命を絶て」

「わかりました‥」

「或。お前もだ」

「分かっています。親父さん」



或は父さんをしっかりとした瞳でみた。



僕も…

しっかりしなきゃ。


だいクンに、

背中押してもらったんだから

しっかりしなきゃ。