イキなりだ。

イキなりすぎる。


昨日まではいつも通りの先生だった。

ネクタイだってしてなかったしスーツも着崩れてたし、真面目なんて言葉は程遠かった。


なのに何で今日になって……?


「―――これで、今日の授業を終わります」


先生のそんな声が聞こえてきた瞬間、キーンコーンと授業の終わりを知らせるチャイムが鳴る。

そのまま先生は軽く礼をして、教室を出て行った。


「ねぇ」

「あれ」

「今の」

「「「誰ぇぇぇぇ!!?」」」


教室中、大爆発。


「誰!?」

「今の!?」

「倉本先生!?」

「嫌だ!!」

「私の癒しが!!」


そんな言葉たちが、宙をこれでもかと交差する。