諦めかけていたその時、ミリアはふと思い出した。

『どんな手を使っても俺を倒して見ろ。』

どんな手………?

ふん…、そういうことか。

ミリアは水のクリスタルを手にとった。

そして呪文を唱え始めた。

「いと高き水神よ、我に力を貸し、我に力を示せ!水神狼『ナイアウルフ』」

(…ウォーン…。)

どこからか狼の遠吠えが聞こえた。

すると後から人が乗れるくらいの大きさの狼が現われた。

「ナイアウルフよ…。私に力を貸してくれ。」

そう言うと、ナイアウルフはしゃがみ、私を乗せてくれた。

「グルルル……。」

完全にジンに威嚇している。

ナイアウルフは動きだし、ジンに襲いかかった。

「ガウゥゥ…。」

ジンがナイアウルフに気をとられているうちに、ミリアはナイアウルフの背中から撃った。

弾はジンの手に綺麗にあたり、太刀が飛んでいき地面刺さった。

「かっ、勝った……。」