朝、私はドアの前で深呼吸をした。


「落ちない落ちない落ちない落ちない落ちない。」

「何が落ちないって?」

「へ??」


私が後ろを振り返ったら、壁に寄りかかってこっちを見ている慧斗がいた。


「わ…っ!!」

「何に落ちないの?」


ジリジリと距離をつめてくる。


「いや…あの…、ね?」


言えない。

慧斗に落ちないように気合いを入れてたなんて、



口がさけても言えない。


「誰に、落ちないって??」










………バレてる。