「愛実、行くぞ。」


慧斗は私の腕を引いて、人混みを出た。

立ち去る前に、一度振り返って、


「これが本当の俺だ。
俺は、愛実のモノだから。」


最後に王子スマイルを浮かべて、立ち去った。





ガチャ……。


ついた先は、慧斗の家。


リビングに入るなり、私を抱き締めた。


「慧斗……、」

「……ごめんな。」

「ごめんなら……もういらない。」


私は、悲しそうに苦笑いした。

……私、フラれたんだ。