ガラガラ……。 風が気持ちいい。 私はグラウンドの様子を見ようと、フェンスに近寄った。 「――ッ、」 「――な、い。」 広い屋上から、人が話している微かな声が聞こえた。 私は好奇心で、声に近づく。 「ホントに、好きなんです。」 告白かぁ……。 青春だなぁー……。 「何度も言ってるんだけど……、」 この声……、 「私、王子じゃなきゃだめなの!!」 慧斗……。 しかも、よく聞くと、告白してる相手って、若林さん?!