サグラダ・ファミリア

もう後が無い。
私は白い光を、全身から放った。
ピシピシピシッとハイテク機器が悲鳴を挙げ、
金属の割れるような巨人の断末魔。
手に、狐の手が、
ぎゅっと握って来る感触。

巨人が目の前から、跡形もなく消えた。



嬉しさで涙が出た。


『今ので最後だったな』
「・・・え?」
『様子を伺って見ろ、居ないだろ』
「・・・」

建物の周りに、妙な気配は無かった。

『俺はこれまでだけど、
 おまえが生きてれば問題ない、
 っつーか、
 このまま消えるつもりもないけど、
 ・・・シンが何とかしてくれんじゃねぇかな、
 技教えんの無理んなってごめんな』

「・・・何?」


不自然な台詞だった。
まるで別れのような。

狐の方を向くと、そこに狐は居なかった。


狐の居た場所に、黒い血が大量に広がっていた。



巨人は最後の最後で、
狐を潰していったのだ。

生まれて初めて、体中から力が抜けた。


「うそ・・・?」