サグラダ・ファミリア

「何だよ、この様は」
「・・・」
「せっかく強いのに」

強い強いって・・・。
強くてどうするの。

誰にも守ってもらえないよ。

「俺なんかより、きっと、
 おまえのほうが・・・100倍強いんだ」
「・・・何が、
 言いたいの」
「俺はおまえが誇らしいんだよ」
「・・・」
「俺と同一のおまえが、
 強いことが誇らしい、
 ・・・おまえはおまえの力を、
 もっと信じろよ、せっかく、あるんだから、
 使えよ・・・」
「・・・」

「おまえがどんなに強くても、
 俺はおまえを守るけど、
 それだけじゃ足りない、
 おまえがおまえを守らないと・・・」

そうだね。


「使えよ、力を」


うん。


どうすれば、使えるんだろう。使いたい。


『ゆうこ様!これまでです』

「え・・・?」


ザビエルさんの声に、第三の目を開いた。
坊主達は全滅、ザビエルさんは巨人に囲まれていた。

『貴方とこうして、お言葉が交わせるのも、
 最後ですね、
 ・・・霊体を失った私どもはただの・・・、
 いや、ただの人よりも、弱い存在となります。
 感性を失い、愚かになります・・・。
 人格も多少ですが、
 変化し、きっと、
 この後の私は・・・、
 貴方を失望させる男となるでしょう、
 先に謝っておきます、
 それでは、どうか、狐様とお幸せに』

『ザビエルさん?!』