サグラダ・ファミリア

乗務員用の、出入り口を使い、
広い滑走路に出た。
どこまでも平たい大地の上で、
人の身体がいかに小さいものか、実感する。

巨人は火を囲んで暴れている。
巨人の地響きが、内臓を揺らす。
生霊の私の身体にも、
内臓はあるのだろうか。

巨人の囲む火は、もちろん狐の発生させている狐火だろう。

よく見ると、巨人が火を囲んでいるのではなく、
火が、巨人を閉じ込めていた。



「狐!!!」

声を上げたら、心と咽喉が繋がったよう、
内側からエネルギーが、口を伝って出た。

小柄な巨人がニ,三体、消し飛んだ。

その隣に居た巨人の半身も、
蒸発したよう、消えた。

半身になった巨人の内部、
マカロニのようなものが、沢山詰っている。

グロテスクな景色に、ぞっとして腕に鳥肌が立った。


トイレに行きたい・・・!


恐怖から、尿意を覚えるという現象は、本当だ。


坊主達の集団が、一歩進んでは何かを唱え、
一歩進んでは何かを唱え、ジリジリと巨人を囲い始めた。

ザビエルさんも何かを唱えながら、用心深く、
巨人に近づいて行く。
もう一人の聖職者は、夕子とシンの、本体陣についている。

私はどうしよう?