「駄目だよ夕子」
ハンカチを、夕子の顔に、ぎゅっと押し付けた。
「私達は、役割分担して、動いてるんだから、
夕子が謝ることなんてない!
私は夕子のオトリを、私なりに頑張って、
担当してるんだから、謝られても困るよ!
そりゃ、夕子は身体を持ってるし、
シンに優しくされるし、
大事にされる、・・・でも、
私みたいな霊的能力がない」
「・・・」
「口を動かさなくても、会話できたり、
目を開かなくても、ものが見えたり、
人じゃない人たちと、関われたり、
ステキな能力だと思う、
私はこの力を使えるけど、
夕子は使えない、不公平かな?」
「ゆうこさんっ」
夕子がいよいよ泣き出して、
私の肩を涙で濡らし始め、
私は周りに助けを求めた。
真後ろにシンが立っていて、
優しく夕子の頭を撫でた。
こんな場面だというのに、
私はこっそり、夕子を羨ましく思った。
夕子の涙が乾いた頃、
私達はまた、飛ぶ鉄の塊に、
その身を任せる移動を開始した。
「ゆーこ、手」
狐が再び、手繋ぎを要求して来たことは言うまでもない。
*
ハンカチを、夕子の顔に、ぎゅっと押し付けた。
「私達は、役割分担して、動いてるんだから、
夕子が謝ることなんてない!
私は夕子のオトリを、私なりに頑張って、
担当してるんだから、謝られても困るよ!
そりゃ、夕子は身体を持ってるし、
シンに優しくされるし、
大事にされる、・・・でも、
私みたいな霊的能力がない」
「・・・」
「口を動かさなくても、会話できたり、
目を開かなくても、ものが見えたり、
人じゃない人たちと、関われたり、
ステキな能力だと思う、
私はこの力を使えるけど、
夕子は使えない、不公平かな?」
「ゆうこさんっ」
夕子がいよいよ泣き出して、
私の肩を涙で濡らし始め、
私は周りに助けを求めた。
真後ろにシンが立っていて、
優しく夕子の頭を撫でた。
こんな場面だというのに、
私はこっそり、夕子を羨ましく思った。
夕子の涙が乾いた頃、
私達はまた、飛ぶ鉄の塊に、
その身を任せる移動を開始した。
「ゆーこ、手」
狐が再び、手繋ぎを要求して来たことは言うまでもない。
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