「もう出発まで4時間しかない、
 急いで帰ろう」

そういえばまだ、中継地、オランダなのだ。

シン達が乗って来た車に乗り込みながら、
あの運転手が弾け、龍さんが重症を負った、
ボロボロの車を振り返った。
一つ先に、死が待つ。
そんな世界に、足を踏み入れてしまった。
今更、その恐ろしさに身が凍った。

目が覚めたばかりで、ふらふらの身体を、
狐がその肩で、
支えてくれている。