サグラダ・ファミリア

「おいヴァンパイア」
「うん?」
「どうやったら目覚めんだ?こいつ」
「・・・えーっと」
「・・・」

白髪は困ったよう、視線を泳がすと、
黙り込んだ。

「さっさと応えろ」

狐は足で、白髪の二の腕を蹴った。
すると、白髪は蹴られた二の腕の泥を叩きながら、
わっと声を上げた。

「ちょっ、乱暴しないでよ~、
 俺マジ一般人なのに~!
 ありえな~い!
 ありえないこの神様~!!」
「グダグダうるせぇな、消し炭になるか?
 あ?!」

「落ち着きなよ」

聞き覚えのある声。
狐が窓の外を見たのと同時、
耳に、キン、と圧力が掛かった。


「こいつァいけねェな」

龍さんが緊張した声を上げ、
車の周りを、沢山の聖職者と坊主が、
囲んでいるのがわかった。

「遅くなってごめんね」

シンが窓から、顔を覗かせている。


「ホントにな」
狐が毒づき、鼻に皺を寄せた。

『大丈夫ですか?ゆうこ様?!』

ザビエルさんの声。

『大丈夫だよザビエルさん、ありがとう』
『今、私どもで、迅速に、
 魔を払いますので、
 少々お待ちを・・・!』

『あっ、待って、
 この人たち、
 ワルイヒトタチじゃ・・・』

言いかけたところで、
運転手が玉のように弾けた。

『ちょっ・・・!』

つづいて、龍さんが、
バシャ、と大きな音を立て消え、
大量の水が、その場に出現した。