「・・・まじかよ!」
「まじ、俺等ツインソウルだから、
 把握漏れはありえねー、

 二三度、出会わずに終わった回もあったけど、
 おまえは死ぬたびに俺のとこ戻って来たからな。

 俺も時々人間やったりして、
 何度かおまえの妻になったりもして・・・」

「私が男なの?!」

「だから、おまえ女は今回が初!」
「・・・」
「なんつーか、どう、扱ったらいいのか、
 迷うわ」
「オッサンのように扱ったらいいんじゃない?」
「無理」
「だって、
 どうせ、
 あんたの中で私のイメージは、
 オッサンなんでしょ・・・?」
「それは、
 前の・・・っ、
 ・・・、
 俺も混乱してるんだよ、
 おまえが、
 こんな、
 ・・・可愛いなんて、
 長い付き合いなのに、
 緊張する、
 嫌われたくねーとか、
 頼りにされてーとか、
 どう思われてんのかとか、
 ・・・気になって、
 苦しいんだよ」
「狐さん、まるで愛の告白です」
「うるっせぇ!
 こんな気持ち初めてなんだよ!」
「まぁ悪い気はしない」

「くそっ」

狐の罵声が思いのほか響いて、
前の席に座っていた、ザビエルさんが、
遠慮がちに、唇に指を当て、シー、
と注意をして来た。

私は表情でスミマセンと謝り、
狐は舌打ちして座席に沈んだ。


「寝るの?」
「寝る」

「あんた、何歳なの?」

「4百・・・17・・?・・8?」
「微妙・・・」
「なんでそんな格好なの?」

クラスに一人二人、必ず居る派手な人種。
茶髪に過剰アクセサリー。威張った顔つき。

「狐って生き物は・・・、
 いつの時代も、
 若者の底辺と気が合う、
 ・・・、
 江戸時代は悪戯丁稚、
 大正は、道楽学生、
 昭和はクレイジーバンドマン、
 平成は茶髪のヤンキー」
「・・・ふーん」

私の冷ややかな視線に気づき、
狐は下唇を突き出すと、もごもごと、

「気が合う奴等の格好、
 してるだけだ!
 俺の趣味じゃねぇ!」

などと言い訳した。