急に、興味をそそる内容。
私の前世!私の・・・前世!!
誰しも一度は、
気になったことがあるはず、
自分の前世が、
何だったのか!

「私、前世あるの?!」
「当たり前だろ、誰にだってある、
 相当、
 生まれたばっかの魂じゃなきゃ・・・」
「・・・何だったの?!私」
「人間」
「人間の?!
 男?!女?!
 お姫様?!」
「図々しい想像だな、
 ・・・性別は男、
 スペインの宗教家、
 来日して、
 浄土真宗とキリスト教を、
 一つにした新しい、
 宗教を広めた」
「・・・ふーん」

イッキに興味なくなったァアア!

「その教えに帰依してんのが、
 こいつらな」

護衛の坊主と聖職者を指し、
狐は話を続けた。

「おまえはすぐに俺に気づき、
 俺を傍に置いた、
 俺は忠犬ハチ公も顔負けの忠誠を、
 おまえに捧げて、
 可愛がられた・・・」
「眠くなって来ちゃった・・・」
「聞け!」
「えー、やだぁ、
 そんなオッサン知らないよ、
 私の前世は大商人の娘」
「ちょっとグレード下げたって駄目だ!
 おまえの前世はオッサン、
 その前だってオッサンだ」
「ざっけんな、せめてお兄さんって言えよ」
「俺が会った時は大体いつもオッサンになってた」
「いやぁああ、もう聞きたくないっ、
 もう少し夢持っていたいよう、
 オッサンだった頃の話なんて聞きたくない!」
「っつーか、
 おまえ、
 女になったの今回で初だから」