ゆうこさんが肩を抱いてくれた。
本体のシンが、震える手で祈りのかたを取った。

「あんたまで、消えたいの?」

ゆうこさんが、本来のシンを詰った。
シンは祈ろうとしていたことに気づいて、
苦笑い、両手を開いた。
シンの身体は、信仰に毒されきっていた。

「からっぽに祈るのが、一番良くないのにね、
 こういう時に、咄嗟に縋ろうとしてしまう」

呟いて、私達の前を進んだ。