サグラダ・ファミリア

ガラスが割れて、女性客の甲高い悲鳴が響く。
男性客が、神に祈る声を上げた。
祈る前にあのおばあさんを、助けてあげて。


シンがおばあさんの元に辿り付いた。
抱き起こして、手すりに捕まらせ、
その背を支える。

そして、覚悟の目をした。


『戻るよ』

『約束しろ、その命に掛けて』

『・・・約束する』

『言ったな、
 ではメシアに祈れ』

嫌な予感がして、
口の中で、小さく、
だめ、と呟いた。
「だめ!」
ゆうこさんが音にして叫んだ。