サグラダ・ファミリア

『目先の欲に囚われて、大志を忘れた愚かな兄弟よ、
 過ちを悔い、改めれば救われよう、
 さぁ戻って来なさい、我等の懐の内に・・・』

運転手の悲鳴が聞こえ、
バスの速度が上がっていることに気が付いた。
乗客の顔に、焦燥が見られ、
私達もまた互いに顔を見合わせる。

『戻るとおっしゃい、
 救われたいのなら・・・』

『バスを止めろ!』

シンの厳しい応答が、
バスのスピードを司っている存在が、
この声の主であることを知らせた。

『戻りますか?』