バスは丁度座席が埋まるぐらいの混雑レベルだった。
窓はスペインの町並を流している。

「ゆうこさん?」

隣に居たゆうこさんの頬が、涙で濡れていた。
肩を支え、焦る。

生霊のシンと目が合った。
生霊のシンも、ゆうこさんを気に掛けつつ、
辛そうな顔をしていた。
何が起こっているのだろう。