サグラダ・ファミリア

膝に熱い日の光が当たって、
顔を上げると海はキラキラと輝いていた。
こんな綺麗な世界から、消えてなるものか・・・。
空の青と海の青が重なるあたりには、
ぼんやりとした空気が集まっていた。

ふいに、形のないものも、
世界に存在しているんじゃないか。

今まで、霊感などなくて、
目に見えるものでしか世界を見てこなかった。
けれど、世界は物だけで構成されているのだろうか。
物以外の者達も、景色に見惚れて、
平和なんかを願ったり、するんじゃないか。

あのソフィスティケイテッドは、
平和主義のヴァンパイアだと主張していた。
消えたあと、私達はどこに行くのだろう。
来世をなくしたら、どうなるんだろう。


「僕らは生贄になったら、世界と同化するんだよ」


シンが海の向こうを、眩しそうに見つめて、呟いた。


「こんなに綺麗なものと、一つになれるなら、
 生贄になるのもいいかもね、なんて」
「諦めちゃだめだよ」
「うん」