サグラダ・ファミリア

消えたくない、生存したい、
当然の願いを胸に抱いて、
海辺に向かった、哀しい、幻のような二人。

未来がない不安と闘いながら、
明るかったあの人はもうどこにもいない。

白髪や龍さんに攫われて、
狐の死に怯えながら、身動きの取れない中、
必死に、敵を説得したのは私じゃない・・・。

空港で、恐ろしい化け物に恐怖しながら、
吐きながら、残酷な景色を見て胸を痛めて、
巨人を背に、足を負傷しながら、
走ったのは私じゃない・・・。

私は安全な所に居た。
あの人は何度も、私の立場を羨んだ。
同じ名前、同じ姿をしていたのに、立場が違っただけ。
私とあの人の世界は遠くて、
運命はあまりに、
あの人に辛く当った。