サグラダ・ファミリア

改札に、回数制のキップを通し、
丁度来たばかりの列車に乗り込む。

「運が良いな、これで逃げられるよ」
「これからどうしよう?」
「この列車は生霊たちが最後に乗ってた列車だ、
 終点まで行けば、あの海辺に出る、
 ソフィスティケイテッドと狐、クイナ、
 三人と合流して、助けを乞おう」
「狐・・・」

ゆうこの心が、狐の目の前で消えてしまったことに揺れた。
消えない、と言ったのに・・・。


走る地下鉄の景色が、生霊の記憶を、
鮮やかに私の内側に描いた。

この列車の中で、哀しげな狐を抱きしめた。
消えないと言ったのに。
私は狐をまた、苦しめてしまった。