サグラダ・ファミリア

「我等坊主、新如来のお姿を拝むまでは、
 ジャパーンに戻る気は毛頭ありませんぞ」
「ええ、毛頭ありません」
「はい、毛頭ありませんとも」

ヒラの坊主三人組が、周りを囲んできた。

「ダ・ジャレハ、イイカラ!」


坊主の坊主強調に、ザビエルさんが苛立つ。


「ダジャレにもなってないよ、
 毛頭っていうのは、毛の先って意味で、
 頭に毛がないっていう主張には、
 全然ならない」
「そこのサラサラヘア!我等を敵に回すか!」
「や、元から敵でしょ」
「ああいえばこういう!このっ、サラサラが!!」
「フワフワが!」
「キラキラが!」

「・・・ありがとう」


坊主の罵倒にならない罵倒に、シンが微妙な顔で礼を言った。
私は眩暈のするほど、集中して頭を働かせていた。
サグラダ・ファミリアの内部は貝の内側のキラキラしたもので、
作られた綿の森のよう、七色に輝いて美しい異次元を作っていた。
その美しさが、現実的な思考力を私から奪っていた。
景色に酔いそう・・・。
何も思い浮かばない・・・。

「大丈夫?」

シンが私の肩を持った。
途端に目の前が真っ白になった。
青い炎がバチバチと白い空気の間に、
チラチラと見えて、
これがシンの仕業なのだとするに合点が行った。
「闘技場に走るよ」
囁きに頷く。

白い空気の中から、白人の手。
恐らくザビエルさんの手がにゅっと現われ、
私の腕を掴んだ。
シンが手の元に体当たりをし、
私は腕を振った。

私達は走って逃げ出した。