サグラダ・ファミリア

ゆうこさんは私の中の、陽の気を全て持っていき、
何事も素直に前向きに受けとめていた。
冒険心があって、根性があって、
私は私であって、私じゃない、凄い私、を彼女に見ていた。
私には、私の知らない凄い私が居る。
どんな人にも、その人の知らない凄いその人が居るんだ。

意志を持った二人の生霊を生贄にしなければ、
生まれて来ることさえできない、メシアに何ができるの。
今生きてる人が、今生きてる自分を支えないでどうするの。

「二人を元に戻そう」

シンが私の手を取って、静かに言った。



「イケマセン」

苛立ちを持って、私達を止めたのはザビエルさんだった。
空港での闘い以後、
ザビエルさんは神経質な顔で、
始終、何かの心配ばかりをするようになっていた。

「テオ様ガ悲シミマスヨ」

「ここまでに掛かった費用もなかなかですしね」

ザビエルさんと、坊主のリーダー格が、
私達の肩を押さえ、睨みを効かせて来た。