「ゆうこは逃げないよ」

狐に指示されたシンは、悠長な声で、
私との手繋ぎを拒否。逃げたら繋いでくれるのかい。

「信用できねぇ」

狐さんマジうぜぇ。

「しょーがないなぁ」
ガシャン、
と音がして、
手にフワフワした重い感触。

ちょ・・・!

手錠ですよ手錠。肌に触れるところに、痛くないよう毛皮付いてるけど。
これ、ちょっと、人権大丈夫?
私こんなの付けられるような悪いことした覚えないんだけど。

ザビエル風の、白人がやって来て、
(私達の後ろを守っててくれた人)
手錠で繋がった私とシンの結合部に布を掛けた。

それから電車を降りて、空港へ。
パスポートを見せるゾーンは、
前に居たお坊さん達が、まとめた手続きをしてくれていたのか、
なんと素通りできてしまった。

広い広い空港を、進む一行。
お坊さんの集団、狐、シン、
シンに連れられて、

手 錠 を か け ら れ た 私・・・。

その後ろを聖職者。

注目を集めてしまっているのは、もろもろ、
理由あるだろうけど。
でも、一番の原因は絶対、


私が明らかに、 

連 行 さ れ て い る 風だからだよね!!!!!


今の私、めっちゃ犯人ぽい状況だもん!!
手錠かけられて回りを大人数に守られて!


それもこんなターミナルに居たら、

国 際 指 名 手 配 されてたみたいな。

超ド級の悪人に見えるよ。
ああ、もう耐えられない。


「「シン・・・」」

狐と私の怯えたような声が重なった。

「「手錠は」」
「あんまりじゃない?」「あんまりじゃねーか?」