「篠田、篠田、いい加減起きろ。」

 今は帰りの学活中。

 教室の一番前で、堂々と寿乃は寝ている。

 普段は起こすことはないのに、なぜか担任は起こす。

「篠田、篠田。」

 ようやく目が覚めた。


 周りをきょろきょろ見渡す。

 寝ぼけてよく表情が読み取れない。

 まぁ、いいかっと思って先生の方を見る。

 それにしても、夏休み明けから、ずっと寿乃は頭がほわほわしている。

 夏休み、久しぶりに久家島に戻って。

 宿題も忘れて遊んだものだ。

 まぁ、おかげですっかり日に焼けちゃったね。