…なんて最悪な日なんだ。部下に襲われそうになるわ、電車はないわ…。

あ、なんか俺、泣きそう。



「――え?」



ふと、腕を掴まれた。そしてゆっくりと歩き始める。



「え、ちょ、どこに行くんだよ!」

「…俺ン家です」

「は?……はあ!?お前ン家!?そ、それって…!」

「大丈夫です、今日は息子さんを襲ったりしないんで!…家にゴムあるかな」

「おーい、今ゴムって聞こえたよ?ゴムってなに?輪ゴムのことだよね?アッチじゃないよね?ねえ、ニヤけてないで返事しよう?ねえ?……。

誰か、誰か…――ヘルプミー!」



とか言いながらその掴んでる腕を振り切ろうとしない俺は…きっと、世界一のバカ。










END