「ホントだよ。前々から、村瀬の事が好きだって言っていたもんね」


「信じられねー」


「村瀬だって、三村志穂の事が好きだよね?」


「自分はそんな事、意識していないですけど」


「でも帽子の事ばかり、いつも気にしているよね?」


「何で、部長がそんな事を?」


「双木さんから聞いたから。村瀬がいつも、三村さんの事を気にし過ぎているってね」



 ハハ…


 里奈は部長に、輝人の愚痴やボヤきを話していたのだ。


 こりゃヤベーって思った輝人は言う。


「三村さんには悪いって思っているけど、どうしても…」


「気にするって事は、それだけ村瀬が三村さんに特別な思いが有るって事じゃなーい?」


「そうかな? 単に、俺自身の性格から…」


 村瀬が言い終わらぬうちに、藤野部長は話しを進めた。


「せっかくのチャンスだし、三村さんのハートを受け止めなさい?」


「…」


 どうしようっか?


 輝人は迷う。