ところがである。


 藤野部長が知りたいのは、そんな形式ばった事ではなかった。


>1人の女として、三村さんをどう思うか知りたいの<


>可愛いしキレイだし、純粋でおしとやかな所がイイですよねぇ<


 メールを送信する時、輝人は我ながら妙な気分になった。


 いつも帽子の事を気にして、カッカしているのにである。


 すると…


 藤野部長から、こんなメールが来た。


>だったら、三村さんと付き合ってみなーい?<


「ハァッ!?」


 声を上げた輝人。


 何だか急に、気持ちが揺らぐのを強く認識した。


 間髪を入れず、藤野部長から電話が来た。


「どーよ? あのコとのラブラブ」


 いきなりの、本題の質問である。


 どーよって質問されても、輝人としては心の準備は出来ていないから答えられない。


 質問を返してみる。


「三村さんと付き合えって、どう言う事出来ですか?」


「あのコ、村瀬に惚れているみたいなの」