ゆびきり

「詠士?おーい」






真斗の呼びかけにも、詠士は反応しなかった。






真斗は、詠士の視線の先を一緒に見つめた。
そして、一緒に詩で衝撃を受けた。







「なあ、どうしたらこんな詩かけるんだ?」







今度は真剣な表情で、龍を見る。







しかし、龍は答えなかった。







そんな龍に、苛立った詠士は声を荒立てた。







「おい、いつまでもシカトしてんじゃねーよ」







周りが一瞬静まりかえった。







「おい、やめとけ」







真斗は詠士の腕を抑えた。







そして、龍はゆっくりと睨むように目を合わせた。







その迫力に、詠士は怯んだ。







「ガキ、人の店の前で騒ぐんじゃねえ」







低い声で、どすのきいた言い方で言った。







「ご…ごめん、なさい」







龍の迫力にさすがの詠士も、逆らえなかった。