ゆびきり

深く話を聞きたい。







でも、どう聞いたらいいか分からない。








「そっか、意外とすぐだったな…。ゆっくり寝ろよ」








詠士は、久しぶりに笑顔を見せてくれた。







「詠士は?今からどうするの?」







詠士は、真斗と一緒に暮らしてはいるが、ほぼ、色んな女の家に転々としていた。








「誰かに連絡したら、なんとかなると思う」








せっかく、詠士と一緒にいるのに、このままだと違う女のところへ行ってしまう。








そんなの嫌だよ…








「ねえ、お茶…でものんでいく?」







なんて、昔のナンパみたいな言葉を言ってしまったのだろう。







咄嗟にでた言葉が、稚拙過ぎる。







詠士は驚きながらも、しだいにまた、笑いが出てきた。