ゆびきり

詠士は、目をそらしながら「ああ…」と呟くだけだった。







梨由は少し寂しそうな表情を見せたが、すぐに笑顔に戻り、話を続けた。







「そっかぁ、でも嬉しいよ。詠士が詩まだ書いていてくれてさ、そのおかげで日和とも再会できたんだし」







懐かしく微笑み、梨由は私を見る。







「私もね、全部ＣＤ持ってるし、いつも梨由の歌詞に救われてるよ。

あれからさ、恋はしてないけど、無理もしてない。ちゃんと好きな人を見つけたくて…」







私は、つい梨由と二人で話している気分だったが、真斗が会話に入ってきた。







「えっ、お前じゃあ三年も彼氏いないんだぁ」







真顔で言う真斗…






悪気があるわけではないことわかるが、私は、顔が赤くなり、怒った素振りを見せた。







「うるさいわねぇ、無理に彼氏がほしいわけじゃないもん」







ふてくされながら、言い返した。